70万年前の上腕骨化石=人類最小、フローレス原人―インドネシアで発見・国際チーム
インドネシア東部のフローレス島で、約70万年前の原人の上腕骨化石を発見したと、東京大やインドネシア地質調査センターなどの国際研究チームが6日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。同島で約6万年前の化石が見つかっている身長約1メートルの小柄な「フローレス原人」の祖先に当たり、性別は不明だが、正常に成長した大人の骨とみられる。
化石は右上腕の肘関節に接する下半分しかなく、長さ8.8センチ。上腕骨全体の長さは22センチ弱と推定され、世界各地でこれまで知られた人類化石の中で最も小さいという。
フローレス原人は2003年にほぼ全身の化石が同島のリャンブア洞窟で見つかり、現生人類(ホモ・サピエンス)と同属の新種に分類された。ジャワ原人が食料の乏しい小さな島の環境に適応し、体格が小さくなる「島しょ化」を起こしたと考えられる。
同島では約100万年前の石器が見つかっており、東大総合研究博物館の海部陽介教授は「70万年前までの30万年以内に体格が小さくなった可能性がある」と説明。アフリカから世界に進出したホモ・サピエンスの体格が次第に大きくなったのとは対照的で、「人類の進化が一方向ではなかったことが示されている」と話している。
この化石はリャンブア洞窟の東にあるソア盆地で13年に発見され、海部教授が聖マリアンナ医科大の水嶋崇一郎主任教授や新潟医療福祉大の澤田純明教授とともに詳細に解析した。推定される身長は約100センチで、約6万年前の原人の106センチより若干小さいという。
[時事通信社]
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