株価暴落、岸田首相に逆風=総裁再選戦略に影響も
9月に想定される自民党総裁選で再選を目指す岸田文雄首相(党総裁)に新たな懸念材料が浮上した。下落傾向を示していた日経平均株価が5日に暴落。首相への逆風は避けられないとみられ、株高や賃上げを追い風に再選を引き寄せる首相のもくろみは再考を迫られそうだ。首相は最近、総裁選をにらんだ動きを活発化させており、お盆明けにも意向を表明するとみられるが、再選戦略は描き切れていない。
「冷静に判断していくことが重要だ」。林芳正官房長官は5日夕、株価の急落を受け、首相官邸で記者団に危機感をあらわにした。
首相は今月に入り、鈴木俊一財務相、麻生太郎副総裁、林長官らと個別に会談。森山裕総務会長とは2日に続いて5日も面会し、昼食を共にした。いずれも首相が再選を目指す上でのキーパーソンで、政権幹部は「最終判断は遠くない。首相は総裁選に出る」との見方を示す。
政府・自民関係者の間には、首相は9~12日の中央アジア・モンゴル歴訪後に最終判断するとの見方が広がる。先月末、岸田派若手が総裁選への対応を尋ねると、首相は「もう少しで盛り上がってくるんじゃないか」と応じてみせた。
もっとも、派閥裏金事件を巡る世論の批判はなお強く、内閣支持率は低迷を続ける。このため、首相が「頼みの綱」にするのが、7月に日経平均株価が4万2000円超の史上最高値を付けるなどした「経済の好循環」だった。しかし、日経平均は5日に史上最大の下げ幅を記録。首相に近い党幹部は「これはまずい。推移を見る必要がある」と衝撃を隠さなかった。
日銀は金融政策の正常化や円安是正に向けて利上げに動いており、株価の動向は不透明さを増している。一方、岸田政権は「資産所得倍増」を掲げて少額投資非課税制度(NISA)拡充などを推進してきた経緯があり、株価の下落は以前より国民の懐に響きやすくなっているとの見方がある。
政府関係者は「これまでの経済政策のひずみが出てくる」と指摘。自民の中堅は「この状況は首相にプラスにはならない」との見方を示した。同党の閣僚経験者は「政権への打撃は避けられない」と語った。
[時事通信社]
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