2024-08-06 05:03スポーツ

日本、遠かったあと1点=惜敗に西田「出し切った」―バレーボール男子〔五輪〕

男子準々決勝でイタリアに敗れ、涙を浮かべる西田(右)=5日、パリ
男子準々決勝でイタリアに敗れ、涙を浮かべる西田(右)=5日、パリ

 あと1点が遠かった。日本の52年ぶりの金メダルを目指す旅路は、残酷な幕切れとなった。2セットを先取し、4強入りを目前にしながら激闘の末に逆転負け。ブラン監督は「最後はミスを出さないイタリアが上回った」と勝者をたたえた。
 1度目のチャンスは第3セット。24―22から試合を決めにいった主将の石川は「少し力んでしまった」。相手ブロックに当てようとしたスパイクはアウトとなり、直後にサービスエースを許した。ジュースに持ち込まれて競り負け、高橋藍は「チーム全体が『いける』と感じ、隙ができてしまった」と悔やんだ。
 最終セットは先にマッチポイントを握られてから、セッター関田が「絶対に決めてほしい」との思いを込めて石川に連続してトスを上げ、15―14に。だが、1点を失った後に石川のスパイクがブロックに阻まれ、最後は生命線のレシーブが乱れた。石川は1次リーグの不調から立て直し、両チーム最多の32得点。「試合を決める1点が取り切れなかった。僕が力不足だった」と責任を一身に背負った。
 結果は東京五輪と同じ準々決勝敗退だが、歩んできた過程は違う。成長途上にあったチームはネーションズリーグで2年続けて表彰台に立つ強豪となり、本気で金メダルを狙いにいった。西田は惜敗の悔しさをかみしめながら、「このチームでやれることは出し切った」と強調した。
 激戦の余韻が残るコート上で、退任が決まっているブラン監督を胴上げした。来日8年目となり、母国で日本を率いる最後の試合を終えたフランス人指揮官は「次の五輪では、日本の一番のファンになるよ」。目を真っ赤にして、選手たちに未来を託した。 (時事)
[時事通信社]

男子準々決勝のイタリア戦、スパイクを決めて喜ぶ西田=5日、パリ
男子準々決勝のイタリア戦、スパイクを決めて喜ぶ西田=5日、パリ

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