思い出のパリで金メダル=スタイル変更、きっかけの地―フェンシング・敷根選手〔五輪〕
フェンシング男子フルーレ団体で金メダルを獲得した敷根崇裕選手(26)=ネクサス=にとって、パリは小学生の頃に国際大会を初めて経験した思い出の地だった。
幼少の頃、フェンシング経験者の父裕一さん(58)と自宅のリビングで剣を交えた。小学校低学年からは裕一さんが当時勤務していた大分県の高校の体育館で練習した。
転機は小学6年の2月。敷根選手はパリで行われた小中学生の国際大会でベスト8に残った。裕一さんは「体格差のある中学生も出場する大会で、本人の自信になった」と振り返る。
だが、当時の裕一さんは敷根選手のフェンシングのスタイルに行き詰まりを感じていた。「どのように発展させていけばいいのだろう」と悩んでいたという。
そんな裕一さんの悩みをよそに、敷根選手はこの国際大会後、誰に言われるでもなく、剣先を下げて相手を攻撃するようになった。かつて裕一さんが左利きの選手に勝つために教えた戦法だ。裕一さんは「指示したわけではない。ベスト8という結果は、スタイルを変えるいい機会になった」と話す。
東京五輪では個人も団体もメダルには届かなかった敷根選手。パリ五輪直前の壮行会で「前回は悔しい思いをしたので今回は金メダルを取りたい」と語っていた。有言実行し、表彰台で満面の笑みを浮かべていた。
[時事通信社]
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