勝負を決めるのは「人間性」=最後の五輪、チームけん引=―バレー女子主将・古賀選手〔五輪〕
バレーボール女子主将の古賀紗理那選手(28)=NEC=にとって、集大成となる最後の五輪が終わった。開催直前、パリ大会を最後に現役を退くことを表明。目標としたメダル獲得はならなかったが、コートを駆け巡って強烈なアタックを何本も決め、チームを引っ張った。
「入部した時から高さもうまさもあり、謙虚さや素直さ、向上心も兼ね備えていた」。古賀選手の母校、熊本信愛女学院高校(熊本市)の堤政博バレー部監督(40)は、そう振り返った。基礎は中学までに固めていたという。
後に日本代表の大黒柱となる古賀選手だが、高校時代は堤監督から「キャプテンになってくれないか」と頼まれても、「嫌だ」と返した。最終的に引き受けたものの、堤監督は「『前に出て人を引っ張るタイプではない。自分には向いていない』と思っていたようだ」と話す。
バレーには真摯(しんし)だった。何か足りない部分があると感じれば、「先生、こういう練習がしたい」とリクエスト。居残りの自主練習に励み、インターハイでの準優勝に貢献した。
目指していた全国制覇こそならなかったが、堤監督は「敗戦を勝負事として受け入れ、逆にチームの仲間を励ましていた」と懐かしむ。
「技術だけではダメなんですよね。最終的に勝つか負けるかを決めるのは人間性」。同校を巣立った古賀選手が口にした言葉だ。伝え聞いた堤監督は「試行錯誤しながら、苦労してきたんだな」と感じたという。
五輪直前の引退表明に「もう少し続けてほしいという気持ちもあるが、U15(15歳以下)の時から頑張ってきた。まずは『お疲れさま』と声を掛けたい」とねぎらいの言葉を贈っていた。
[時事通信社]
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