2024-08-04 07:35社会

鍛えた左ジャブ、及ばず=準々決勝で敗退―ボクシング・原田選手〔五輪〕

男子57キロ級準々決勝でブルガリア選手を攻める原田周大(左)=3日、ビルパント
男子57キロ級準々決勝でブルガリア選手を攻める原田周大(左)=3日、ビルパント

 五輪初出場のボクシング男子57キロ級、原田周大選手(22)=専大=は準々決勝で敗退した。高校時代、恩師に鍛えられた左ジャブを武器に戦ったが、力及ばなかった。
 小学生の頃はサッカーに熱中し、サンドバッグをたたくようになったのは、中学に入り、地元北九州市のボクシングジムに通うようになってから。名門、豊国学園高(同市)に進学し、ボクシング部監督の杉本幸夫さん(81)の薫陶を受けた。
 杉本さんは元世界チャンピオンの鬼塚勝也さん(54)など、多くの強豪選手を育ててきた。「ジャブのない子は勝てない」との指導方針の下、カウンターやコンビネーションといったテクニックをたたき込んだ。
 杉本さんによると、原田選手に大きな刺激を与えたのは、後に全日本選手権で優勝する2学年上の先輩だ。杉本さんは「(原田選手は)ぼこぼこにされていたが、打たれても打たれても立ち向かっていた」と振り返る。先輩は左ジャブにたけ、原田選手はその技術をまねし、吸収していった。
 高校入学当初の原田選手に、目を引くような所はなかったという。1年生の頃は大会序盤で敗れ、トイレにこもって涙を流したこともあった。
 課題はスタミナ。原田選手は坂道ダッシュを毎朝10本こなし、部活後もジムで汗を流した。日曜日も練習し、高3で臨んだ国体で準優勝。「こつこつ努力したのが実った」と杉本さんは言う。卒業後も成長曲線を描いた原田選手。昨年のアジア大会で銀メダルを獲得してパリへの切符を手にした。 
[時事通信社]

原田周大選手(右)と高校時代の恩師、杉本幸夫さん=2021年(杉本さん提供)
原田周大選手(右)と高校時代の恩師、杉本幸夫さん=2021年(杉本さん提供)

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