新米、高値スタート=需給ひっ迫―24年商戦
2024年産の新米商戦は高値で幕を開けた。早場米として出荷され、首都圏の店頭に並んだ宮崎県産コシヒカリは、昨夏の猛暑による生産不振で値上がりした23年産の流れを引き継ぎ、価格水準を大きく切り上げた。全国の主要な銘柄も高騰するとみられ、主食のコメにもインフレの波が押し寄せている。
23年産は、高温障害で良質なコメの流通量が減るとともに、インバウンド(訪日客)需要が急増して品薄感が強まった。需給の引き締まりが、価格上昇につながっている。調達に苦労した経験から、流通業者は新米を早めに確保したいと考え、早場米の産地では「奪い合いのような雰囲気があった」(大手卸売業者)という。
こうした動きを受け、首都圏で展開する食品スーパー「いなげや」では2日、花小金井駅前店(東京都小平市)で宮崎コシを前年よりも1100円高い2790円(5キロ入り、税抜き)で売り出した。同社広報は「厳しい状況だが、安定的な仕入れに努めていきたい」と、万全の態勢で臨む。
近年は、人口減少や食の多様化などでコメの需要量は右肩下がりをたどっている。政府が飼料用米への転作を奨励してきたこともあって、増産には慎重ムードも漂う。今夏も記録的な暑さに加え、東北地方を襲った水害もあり、作柄が懸念されている。
[時事通信社]
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