相次ぐ選手へのSNS中傷=日本勢も被害、抑止訴え〔五輪〕
パリ五輪出場選手に対し、SNSやインターネット上での誹謗(ひぼう)中傷が相次いでいる。陸上や柔道の日本選手が被害に苦しみ、開会式の演出関係者も脅迫などのハラスメント行為を受けているという。選手らは心ない投稿をやめるよう切実に訴えている。
陸上女子競歩の柳井綾音(立命大)は混合リレーに専念するため、個人20キロ競歩の出場を辞退した。この決断に対し、多くの中傷コメントが届いたとX(旧ツイッター)で明かし、「批判は選手を傷つける。少しでも減ってほしい」と記した。
柔道女子52キロ級の阿部詩(パーク24)は、2連覇を逃して号泣。SNSに「情けない姿を見せてしまい申し訳ありませんでした」と投稿した。多くの激励が寄せられた一方で、悪意のある書き込みも見られた。
選手への中傷は前回東京大会でも大きな問題となった。国際オリンピック委員会(IOC)は今大会、人工知能(AI)を活用した監視システムを導入。選手らのSNSを35以上の言語で常にチェックし、悪質な書き込みを削除する仕組みだ。選手村には、メンタルヘルスケアの専門スタッフが常駐する相談スペースも設けられた。
大会組織委員会やIOCは、SNS上の中傷を「強く非難する」と表明。日本オリンピック委員会(JOC)は「侮辱、脅迫などの行き過ぎた内容に対しては、警察への通報や法的措置も検討する」との声明を出した。
柔道女子57キロ級で金メダルを獲得した長野県出身の出口クリスタ(カナダ)は、「他人が悲しくなるような言葉の矢を、わざわざ放たなくてもいいんじゃないでしょうか」とSNSにつづり、選手への敬意を表すよう呼び掛けた。 (時事)
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
-
大谷、史上初「50本塁打、50盗塁」=2打席連続アーチで達成―米大リーグ
-
大谷が49本塁打、51盗塁=大記録まであと1本―米大リーグ
-
利下げは「良い知らせ」=インフレ鈍化を強調―バイデン米大統領
-
最低価格検討で一致=EVへの追加関税巡り―EUと中国
-
NY円、142円台後半
写真特集
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕
-
閉会式〔パリ五輪〕
-
レスリング〔パリ五輪〕
-
【スポーツクライミング】安楽宙斗〔パリ五輪〕
-
【カヌー】羽根田卓也〔パリ五輪〕