イラン、イスラエル報復見極め=ハマス指導者殺害、緊張激化も
【イスタンブール時事】パレスチナのイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏がイスラエルの関与が濃厚な攻撃で殺害され、自国内で事件を防げなかったイランは報復の意向を宣言した。海外の要人を守れなかった失態で面目をつぶされた形で、今後は報復の度合いや反撃対象などを慎重に見極めるとみられる。反イスラエルで共闘する親イラン勢力への支援も強める可能性が高く、イランとイスラエルの対立激化は中東の軍事的緊張を一段と高めそうだ。
「シオニスト(イスラエル)によって、われわれの領土で賓客が殉教させられた」。イラン最高指導者ハメネイ師はハニヤ氏が殺害された7月31日の声明で、悔しさをあらわにして報復を誓った。米紙ニューヨーク・タイムズは複数の当局者の話として、ハメネイ師がイスラエル直接攻撃を命じたと報道。ロイター通信は1日、イラン高官がレバノンやイエメン、イラクの親イラン組織の代表と報復を協議すると伝えた。
イランでは7月30日、イスラエル敵視を堅持しつつも国際協調重視を訴える改革派ペゼシュキアン大統領の就任宣誓式が行われた。このタイミングを見計らったかのように、イスラエル軍はイランが支えるイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点があるレバノンの首都ベイルートを空爆。間髪入れずに翌日未明、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を仲介するカタールを離れていたハニヤ氏を狙ったもようだ。
ハニヤ氏はイラン滞在中、ハメネイ師と面会していた。報道によれば、ハニヤ氏は首都テヘラン北部で「上空からの飛来物」で殺害され、命中率の高い精密兵器が使われた可能性がある。イスラエル側には、最大の脅威と見なすイラン革命指導部も「いつでも標的として排除できる」というシグナルと軍事力を誇示したとの見方もある。
イランは4月、イスラエルによる在シリア・イラン大使館空爆で革命防衛隊司令官らが殺害されたことの報復として、初めてイスラエル領内にミサイルなどで直接攻撃。イスラエルがイラン領内へ反撃する応酬となった。
ただ、両国とも本格衝突は望まず、米国などを巻き込む全面戦争は避けたいのが本音だ。イスラエル元軍情報機関トップのアモス・ヤドリン氏は、ハニヤ氏殺害を受けて「殺されたのはイラン人ではない。イランはパレスチナ人1人のために戦争はしないだろう」と予測している。
[時事通信社]
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