マスク氏、ハリス米副大統領の偽動画拡散 X規約に自ら違反か
【ワシントンAFP=時事】実業家でX(旧ツイッター)のオーナーでもあるイーロン・マスク氏が29日、カマラ・ハリス米副大統領のディープフェイク動画をXで共有し、批判を浴びている。≪写真は実業家でX〈旧ツイッター〉のオーナーでもあるイーロン・マスク氏≫
11月の大統領選を前に、人工知能(AI)を利用した政治絡みの偽情報への懸念が高まっている。
そうした中でマスク氏がリポストしたハリス氏の偽動画では、ハリス氏の声に似せた音声が、ジョー・バイデン大統領は老いぼれていると批判。また自身について、「この国の運営方法については何も知らない」が、女性で有色人種であることから「究極の多様性採用枠」だと話している。
この動画はもともと、保守派のユーチューバーが「パロディー」として投稿していたが、マスク氏は26日、その点には言及せず、「最高」とだけ記し、笑っている絵文字を添えてリポスト。1億3000万人以上が閲覧した。
ハリス氏陣営は声明で、「米国民は、ハリス副大統領が提供する真の自由、機会、治安の良さを求めているはずだ。イーロン・マスク氏やドナルド・トランプ氏が拡散するようなフェイク、加工されたうその情報ではなく」と指摘し、マスク氏を批判した。
マスク氏は1億9200万人近いフォロワーを獲得し、Xでは極めて大きな影響力を持っている。
Xのポリシーでは、「利用者を欺いたり、混乱させたりして、損害をもたらす可能性のある合成または操作されたメディアや、文脈から切り離されたメディアを共有することは禁止されています」とされており、マスク氏のリポストはポリシー違反とみられる。
マスク氏はその後、オリジナルの投稿をリポストした上で「米国ではパロディーは合法だ」とうそぶいている。
AFPはX側に取材したが、コメントは得られなかった。【翻訳編集AFPBBNews】
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