五輪開会式不快なら「申し訳ない」 組織委、宗教嘲笑の意図は否定
【パリAFP=時事】パリ五輪の大会組織委員会は28日、奇抜な開会式で不快な思いをした人がいるなら「本当に申し訳なく思う」と謝罪した。一方で、宗教に対して「敬意を欠く」意図はなかったと強調した。≪写真はパリ五輪の開会式。パフォーマンスを披露する米歌手のレディ・ガガさん≫
演出家トマ・ジョリー氏(42)が芸術監督を務めた26日の開会式をめぐっては、一部のカトリック系団体や仏国内のキリスト教会司教らから「キリスト教を嘲笑する場面」があったとの批判が出ていた。
批判が集中しているのは、ダンサーやドラアグクイーン、DJがイエス・キリストの「最後の晩餐」を思わせるポーズを取ったとされる場面。
組織委の広報担当者はこの日、記者団に対して「いかなる宗教団体に対しても敬意を欠く意図は決してなかった」とし、「不快になった方がいたとしたら当然、本当に申し訳なく思う」と話した。
ジョリー氏は、最後の晩餐をモチーフにしていないと主張している。
多様な性への寛容を訴える意図があったこの場面では、全身を青く塗ったほぼ全裸の仏アーティスト、フィリップ・カトリーヌさんが銀の皿に乗って登場。
その姿はギリシャ神話の酒の神「ディオニュソス」を模していた。ディオニュソスは、セーヌ川の女神セクアナの父とされる。
ジョリー氏はニュース専門局BFMに対して「オリンポスの神々につながる、多神教の一大パーティーを開くというアイデアだった」と説明した。
開会式ではまた、マリー・アントワネットが1789年のフランス革命後に投獄された牢獄「コンシェルジュリー」の窓に、切断された自身の頭を抱えた女性が登場するという演出もあった。
マリー・アントワネットは夫のルイ16世と共にギロチンで斬首された。
ジョリー氏は「処刑道具のギロチンを賛美する意図は全くなかった」と釈明した。
一方、組織委が委託した調査会社ハリスによる世論調査では、フランス国内の回答者の86%が開会式を肯定的に捉えていることが示された。
最も印象に残った場面としては、カナダ・ケベック州出身の歌手セリーヌ・ディオンによる、エッフェル塔でのパフォーマンスが挙げられた。【翻訳編集AFPBBNews】
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