2024-07-28 17:04社会

世界遺産決定、喜ぶ観光客=朝鮮半島出身者の展示開始―新潟・佐渡

「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録から一夜明け、観光客でにぎわう観光施設「史跡佐渡金山」=28日午前、新潟県佐渡市
「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録から一夜明け、観光客でにぎわう観光施設「史跡佐渡金山」=28日午前、新潟県佐渡市

 「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)の世界文化遺産登録決定から一夜明けた28日、江戸時代の坑道の様子などを見学できる施設「史跡佐渡金山」には多くの観光客が訪れた。
 出入り口や施設内の建物には「祝 世界文化遺産決定」などと書かれた横断幕や新聞の号外などが掲示された。千葉県から子連れで観光に訪れた柳沢雄太さん(42)は「たまたま世界遺産登録の翌日で、ちょうどよかった」と笑顔。「当時の採掘状況や採掘の流れが分かる展示で楽しめた」と話した。
 一方、施設から車で5分ほどの「相川郷土博物館」では、日韓両政府の協議に基づき、朝鮮半島出身の労働者らの生活を紹介する展示が同日から始まった。労働者らが従事した作業内容や生活状況などを説明するパネル29点と、実際に労働者が使っていた弁当箱ととっくりが展示してあり、学芸員から説明を受けることもできる。
 パネルには、削岩などの危険な坑内作業では朝鮮半島出身者の割合が高かったことや、寮から逃走した労働者が刑務所に入れられたことなどを、図や写真とともに説明。博物館を管理する市によると、国が内容を調整し、展示方法は市と協議したという。
 同博物館の池田哲夫館長は「鉱山に朝鮮出身労働者が働いていた実態を理解してもらい、国際理解につなげてもらえれば」と話した。 
[時事通信社]

相川郷土博物館で展示が始まった朝鮮半島出身労働者についての解説パネル=28日午前、新潟県佐渡市
相川郷土博物館で展示が始まった朝鮮半島出身労働者についての解説パネル=28日午前、新潟県佐渡市
学芸員から朝鮮半島出身労働者について説明を聞く観光客ら=28日午前、新潟県佐渡市
学芸員から朝鮮半島出身労働者について説明を聞く観光客ら=28日午前、新潟県佐渡市

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