「対ハリス」戦略転換に苦慮=差別の衝動、失言を警戒―米共和党
【ワシントン時事】11月の米大統領選の民主党候補がバイデン大統領からハリス副大統領に差し替わる方向となったことで、バイデン氏への高齢批判一本やりだった共和党は、戦略の転換に苦慮している。党内では黒人女性のハリス氏に差別的な発言も飛び出し、幹部は選挙戦へのダメージに神経をとがらせる。
「フェイクニュースは1カ月前に『無能』と呼んでいたカマラ(ハリス氏)を救世主のように報じている」。トランプ氏は24日、激戦州ノースカロライナ州の選挙集会でいら立ちをにじませた。
トランプ氏が銃撃されて奇跡的に難を逃れ、「強い指導者」像を印象付けてからわずか2週間。現職大統領の再選断念と、米史上初の女性大統領誕生の可能性という新たな展開は、瞬く間に国民の注目を奪った。トランプ氏周辺は米紙に「こういう時、彼は自滅的な方法でニュースサイクルに入り込もうとする」と語り、同氏の失言への懸念を漏らした。
ハリス氏は若者や黒人有権者の間で人気が高く、最新の世論調査ではトランプ氏との支持率の差をバイデン氏より縮めた。新たな脅威に、共和党の一部議員は「(職場の多様性・公平性・包括性を意味する)『DEI枠』で雇われた」などとやゆ。ジョンソン下院議長が「人格ではなく政策に焦点を」と差別的発言を控えるよう党議員団に注意する事態となった。
共和党はこれまでのところ、移民の急増や記録的インフレに関し、政権ナンバー2のハリス氏の責任を追及している。ただ、「攻め手を定めるのに苦労している」(米メディア)のが実態で、トランプ氏陣営は9月10日に予定していた候補者テレビ討論会の調整を先送りした。
[時事通信社]
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