日本女子復活へ再登板=「乗せる天才」真鍋監督―バレーボール〔五輪〕
バレーボール日本女子の復活は、真鍋政義監督(60)に託された。世界的に見ても小柄なチームをパリ五輪出場に導き、直前のネーションズリーグ(NL)では過去最高の準優勝。勢いに乗ってパリに乗り込んだ。
1964年大会で頂点に立った「東洋の魔女」の再現を狙った2021年東京五輪は、まさかの1次リーグ敗退。パリ五輪へ白羽の矢が立ったのが、12年ロンドン五輪で日本女子を28年ぶりの銅メダルに導き、16年まで指揮を執った真鍋氏だった。21年10月の就任記者会見では「日本女子がパリ五輪に出場できなければ、マイナースポーツになってしまう」と危機感を募らせた。
コーチ陣はプレーごとに役割を分ける分業制。真鍋氏の「第1次政権」を右腕として支えてきた川北元氏(48)は、Vリーグの監督を退任して総括兼サーブコーチとして「再登板」した。「若い世代に任せ、責任は自分が取るという形。なかなかできそうでできない」と川北氏。
試合中は感情を排し、データを重視して采配。一方で普段は選手、スタッフ一人ひとりの性格をきめ細かく理解して声掛けをする。「状況に合わせて冷静に判断する。今までの日本の指導者とは全く違う」と川北氏。東京五輪代表入りを逃し、真鍋氏の言葉で引退を撤回した井上愛里沙(姫路)は「裏の裏まで考えている監督。乗せる天才」と表現する。
チームは持ち前の堅守からコンビバレーを展開。昨年のパリ五輪予選で敗れ、本番の1次リーグでも戦う宿敵ブラジルにNL準決勝で競り勝つなど、勝負強さも身に付いた。3度目の五輪メンバー選考は「あまり迷うことはなかった」。固い信頼関係を結ぶ選手たちと、12年ぶりのメダルにアタックする。(時事)
[時事通信社]
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