不具合「1%未満」で混乱=情報インフラのもろさ露呈―システム障害1週間
【シリコンバレー時事】世界各地に混乱を及ぼしたシステム障害から1週間。マイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」搭載端末の1%未満に生じた不具合は、航空や金融、医療など幅広い業界に打撃を与えた。今回の事象で、情報インフラのもろさが露呈しており、企業は対策が必要となっている。
原因は、米情報セキュリティー企業クラウドストライクのソフトウエア更新だった。誤ったデータを含んでいたが、品質管理の段階で洗い出せぬまま18日夜(米西部時間)に配信し、ウィンドウズ端末が停止。画面が青くなり、停止する事態が相次いだ。クラウドストライクの顧客には大手企業が多く、各地で影響が出た。
同社製品は、クラウドで提供されている。不正アクセスなどの技術が急速に進展し、システムへの攻撃が増える中、問題に即応できることからクラウド製品が広がってきた。
米調査会社IDCによると2023年、クラウドストライクは企業の端末向けセキュリティー市場の18.1%を握る大手だった。中国やロシアが支援するハッカー集団の最新動向などを踏まえた脅威検出に定評がある。新興企業パラメトリックスによると、企業番付「フォーチュン500」の企業の損害は総額約54億ドル(約8300億円)。情報社会の守り手の不備による影響は甚大だった。
システム障害などの対策を提供する米ページャーデューティーの幹部は、企業が備えるIT技術が複雑さを増しており、「さらに新技術が加わり、情報システムが予期せぬ出来事に対して脆弱(ぜいじゃく)になっている」と背景を分析する。企業はシステム障害をいつ発生してもおかしくないものと捉え、対応プロセスの自動化などに取り組む必要があると述べた。
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