女性、持続可能性を意識=「100年でここまで来た」―パリ五輪〔五輪〕
パリ五輪は、男女平等や「持続可能な大会」を目指す国際オリンピック委員会(IOC)にとって大きな節目になる。1万人を超える選手は女子が増え、「史上初めて100%、男女の数が等しくなる」とIOC。世界中から注目されるスポーツの祭典を前に、パリでは大会組織委員会とともにメディア向けの記者会見で連日のようにアピールしている。
五輪に初めて女子が参加したのは1900年パリ大会だった。男子975人に対し、女子は22人だけ。女性の社会進出が進むにつれて徐々に大会参加も増え、2021年東京五輪では約49%まで高まった。女子マラソンが84年ロサンゼルス大会で始まって以降、初めて男子より後となる大会最終日の8月11日に行われるのは象徴的だ。
フェンシング元女子日本代表でトランスジェンダーを公表している杉山文野さんは「スポーツ界はずっと不平等だった。100年かけてここまで進んできたのは大きな意味がある」と語る。とはいえ、スイスのシンクタンクが発表した男女平等に関する最新の指数で日本の順位は世界118位。日本オリンピック委員会(JOC)理事でもある杉山さんは、「日本も五輪のような国際的な動きから学ぶことが大切。スポーツを通じて社会はアップデートできる」と地元の改善にも期待する。
温室効果ガス排出量を過去の大会と比べて大幅に減らすことも、大会組織委が強調する取り組みの一つ。ただ、その一環としてエアコンを設置しなかった選手村では、各国・地域の要望で2000台以上の携帯式エアコンを配備する。22日の記者会見では、理想通りにいかない状況を皮肉る質問も出たが、担当者は「物事を変えていくためには、まず何かを始めなければならない」と受け流した。 (時事)
[時事通信社]
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