敦賀2号機「新基準不適合」=規制委審査、再稼働絶望的に―直下に活断層「否定できず」
日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査で、原子力規制委員会は26日、「新規制基準に適合しているとは認められない」と結論付けた。焦点となっていた原子炉建屋直下の断層について「(周辺の活断層からの)連続性は否定できない」との見解を示した。今後、審査書が取りまとめられる見通し。
東京電力福島第1原発事故後にできた新規制基準の適合性審査で「不合格」となるのは、2012年の規制委発足後初めて。正式決定されると敦賀2号機の再稼働は不可能となり、日本原電は廃炉を含めた厳しい選択を迫られる。
新規制基準では、活断層の上に原子炉建屋など重要施設を設置することを認めていない。敦賀2号機では、原子炉建屋近くの「K断層」が将来動く可能性があるかという「活動性」と、建屋直下の断層がK断層とつながっているかの「連続性」が議論されていた。
規制委は今年5月、活動性について「否定することは困難」と判断。6月の現地調査を実施した上で、今月をめどに連続性に関して結論を出すとしていた。
この日の審査会合では、原電側がボーリング調査で採取したK断層の地質サンプルを肉眼や顕微鏡などで分析した結果、活動性と連続性のいずれも否定されると改めて主張。しかし、規制委は原電の調査方法や判断基準について「不確定な部分が大きい」「科学的・技術的な根拠が示されておらず妥当ではない」と評価した。
これに対し、原電側は新たなデータを得るための追加調査を検討した上で、申請書の再提出を目指す考えを表明した。審査会合の判断は31日の規制委の定例会合で報告され、対応が協議される。
建屋直下の断層については、規制委の専門家調査団が2度にわたって活断層との評価を示したが、反論する原電は再稼働に向けた審査を15年に申請した。しかし、地質データの無断書き換えなど同社の提出資料に多数の不備が発覚し、審査が2度中断するなどした。
日本原電の話 審査会合の議論を踏まえ、今後も追加調査やデータの拡充に取り組む。引き続き敦賀2号機の稼働に向けて取り組む。
[時事通信社]
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