池江、第2章の幕開け=ベッドから出ても苦闘―競泳女子〔五輪〕
白血病を乗り越え、奇跡的に間に合った2021年東京五輪から3年。競泳女子の池江璃花子選手(24)=横浜ゴム=がパリ五輪に挑む。27日に行われる100メートルバタフライ予選は、2大会ぶりとなる個人種目のレース。復活ストーリーの第2章幕開けとなるスタート台への歩みは、東京までとは違う険しさがあった。
リレー要員だった東京五輪からの前進を期し、迎えた22年。世界選手権代表選考会で個人種目の派遣標準記録に届かずに落選した。東京五輪のプールで「今後、世界の大会で『池江がどんどん強くなっている』という姿を見せていけたら」と誓ったものの、その舞台にすら立てない厳しい結果。「この1年間頑張ったのは何だったんだろう」とこぼした。
競技に復帰してしばらくたつと、自分に求めるものも高くなった。一方で、私生活ではこの時大学3、4年生。友人らと遊ぶ機会も出てきたが、長くベッドにいた時間を取り戻そうとばかりに、時々無理をすることも。体調を崩し、練習量を十分に積めない時期もあった。22年は心と体のバランスを保つのに苦労した一年でもあった。
悪循環から抜け出すきっかけになったのは23年。春の日本選手権で6年ぶりとなる世界選手権(福岡)への代表権を個人種目で引き寄せた。霧が晴れ、スイマーとしての自信と誇りを取り戻す。国際大会の経験を重ねるごとにやるべきことがはっきりした。昨秋の杭州アジア大会後にオーストラリアに拠点を移し、泳ぎを見詰め直したことも、前向きな気持ちを喚起した。
日本とは季節が反対の南半球で日を浴びて鍛え直した体は、白く細かった頃とは見違えるほど、たくましくなった。一進一退の末にたどり着いたパリのプール。「過去の自分を超えたい」という思いを遂げるべく、躍動する。 (時事)
[時事通信社]
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