2024-07-25 21:39スポーツ

照ノ富士、10度目Vへ前進=前日黒星を引きずらず―大相撲名古屋場所

 前日の初黒星の影響を全く感じさせなかった。照ノ富士が、関脇阿炎を横綱相撲で退けた。喉輪を受けながらも圧力をかけて左で上手を引くと、土俵際のうまい相手を一気に寄った。「きのうはきのう。きょうはきょう」と一息ついた。
 大の里に突き落とされて不覚を取った11日目の支度部屋では無言を貫いた。悔しい胸の内が見て取れたものの、この日の朝稽古は笑顔で弟弟子にアドバイスする場面も。大の里戦の内容を問われると、「普通じゃないか」ときっぱり。攻めて出た末の黒星だったため、すぐに切り替えられたのだろう。土俵下で見た高田川審判部長(元関脇安芸乃島)も「怖がらずに前に出た」と言った。
 膝などの状態が悪い中、2場所連続の途中休場明けで初日から10連勝とするなど調子を上げてきた。「(場所前は)やってみないと分からなかったが、できることをやって臨んでいる」。復活優勝を遂げた1月の初場所の姿が重なりつつある。
 13日目にも、10度目の優勝が決まる。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、12日目終了時点での2差から逆転優勝したのは4例だけ。悲願に大きく前進したが、「まだ3日ある」。心に乱れはない。
[時事通信社]

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