「誰が出ても」スタイル体現=大岩ジャパンの強み発揮―サッカー男子〔五輪〕
相手が退場者を出し1人少なかったとはいえ、途中出場の藤尾が2得点したことが大岩ジャパンの強さを象徴した。五輪の日本男子の歴史を塗り替えた5ゴールに、チーム発足から約2年半の積み重ねが凝縮されていた。
基本システムは一貫して4―3―3。DF4枚と中盤の逆三角形の底にいる藤田の安定感を生かし、前にいる5人が的確に相手の急所を突くのが特長のチーム。先制点と2点目は、ポケットと言われるゴール脇の深いサイドから折り返したクロスから生まれた。対応するDFからすれば視野の角度に限界があり、おのずと得点確率が上がる攻撃だ。
1―0で迎えたハーフタイム。「ポケットをしっかり取ろう」という声が飛び交った。エース細谷は「ある程度はいい攻撃の形ができた」。五輪の大舞台で取り組みの成果を出し、自信を深めたように話した。
クラブチームと違い、代表は集まってから短期間で試合に臨まねばならない。選手の入れ替わりも激しい。大岩監督はプレーの原則をシンプルにする代わりに、選手に求める水準を高く設定した。「悪く言えば『ここに入って来ないなら、もう無理だぜ』と。(重視するのは)継続と一貫性」
「ローテーションという言葉が嫌い」と指揮官は言う。選手を入れ替えながら戦ったとしても、要求した水準をクリアした選手は全員がレギュラーとの位置付けだからだ。「われわれの強み。誰が出ても(できる)というところを選手がやってくれた結果」。先発、控えを問わず選手が役割を全うした試合後の言葉が、手応えを物語った。 (時事)
[時事通信社]
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