2024-07-25 05:29社会

小柄なドリブラー、チームの要=物おじせず、果敢に攻め―サッカー女子・長谷川選手〔五輪〕

小学4年の頃の長谷川唯選手(中央下)=2006年7月(田中治夫さん提供)
小学4年の頃の長谷川唯選手(中央下)=2006年7月(田中治夫さん提供)

 なでしこジャパンの主力、長谷川唯選手(27)は小柄な体格をものともせず、高い技術力と体力を武器にチームの要として活躍してきた。パリ五輪開会式に先駆け、25日にサッカー女子の1次リーグが始まるのを前に、恩師は「メダルを取って女子サッカーを盛り上げてほしい」と期待を寄せた。
 仙台市生まれで、幼少の頃に埼玉県戸田市に引っ越した。小学生時代を指導した戸木南ボンバーズFC(同市)元監督の田中治夫さん(71)は、ドリブルのセンスに舌を巻いたという。体が一回り大きい上級生に囲まれても「物おじせずにすいすい抜き、相手をきりきり舞いさせていた」と振り返る。
 居残り練習も辞さなかったが、サッカーと同じくらい走ることが好きだった。試合とマラソン大会がかぶればマラソンを優先し、田中さんは「正直試合に出てほしい時もあった」と笑う。
 長谷川選手は小6で、名門の日テレ・東京ヴェルディベレーザの下部組織、メニーナのセレクションを受けた。当時監督だった寺谷真弓さん(52)は「小柄だし、やっていけるのか」と悩んだという。それでも技術力の高さには周りのスタッフも一目を置き、合格を決めた。
 入った当初は接触プレーで吹っ飛ばされることもあった長谷川選手だったが、体の成長とともに才能が開花。ボールテクニックに加え、コート全体を見渡して的確なパスを出す能力や予測力は目を見張るものがあった。
 「やがてチームの中心になる」。寺谷さんが確信した通り、昇格したトップチームやなでしこの司令塔としてワールドカップ(W杯)などで活躍を見せた。寺谷さんは「いいプレーをしてほしい」とエールを送る。
 なでしこジャパンの初戦の相手は、2023年W杯を制した強豪スペイン。日本時間26日午前0時にキックオフする。 
[時事通信社]

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