「プレーで励まし」、国旗と入場=侵攻後初五輪、ウクライナ―サッカー男子〔五輪〕
2年前のロシアによる侵攻開始後、初めて五輪を迎えたウクライナ。26日の開会式に先立ち、サッカー男子が24日、リヨンで行われた1次リーグB組初戦でイラクに挑んだ。戦火の中、練習に励んだ選手らは善戦したものの、惜しくも敗れた。
パリ五輪を巡り、ウクライナは、当初ロシアと同盟国ベラルーシの除外を求めてボイコットも辞さない構えだった。サッカー男子は五輪初出場。ほとんどの選手が母国を拠点にプレーしている。選手たちは国旗をまとって入場し、キックオフ前の国歌斉唱では涙ぐむ選手もいた。
「五輪で素晴らしいプレーをすれば、戦禍にある国民を励ますことができる」。チームを率いるロタン監督はその思いを胸に大舞台に臨んでいる。
試合は、イラクのサポーターの地鳴りのようなブーイングの中でウクライナが先制ゴールを決めると、会場全体がどよめいた。しかし、直後にPKを与えて追い付かれ、さらに追加点を許して1―2の逆転負け。果敢に攻め続けたが、あと一歩及ばなかった。
試合終了の笛が鳴ると芝生に倒れ込み、ぼうぜんとするウクライナ選手の姿も。スタンドからは両チームの健闘をたたえる拍手が聞こえた。
今大会には約140人の自国選手が出場する。ウクライナ・オリンピック委員会は選手団に対し、ロシア、ベラルーシ勢との握手や写真撮影などの禁止を勧告。戦争が「平和の祭典」に暗い影を落としている。 (時事)
[時事通信社]
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