小兵の三戸、鮮烈2発=先制点に「初めて」頭も―サッカー男子〔五輪〕
注目の1次リーグ初戦で、これ以上ないインパクトを残した。5得点のゴールラッシュの口火を切った21歳の三戸。「楽しみで、そわそわしていた」という初めての五輪の舞台で、鮮烈な2発。南米予選1位のパラグアイを沈めるには十分過ぎる活躍だった。
待望の先制点は前半19分。斉藤から裏に抜け出した左の大畑にパスが入ると、ペナルティーエリア内でフリーで待ち構えた。細谷が相手DFを背負ってくれたことで「打ち抜くだけだった」。足を出してきた相手の股の間を抜く低い弾道で突き刺した。チームではやっているダンスパフォーマンスを披露し、頬を緩めた。
「公式戦で初めて」という頭で決めた追加点は感慨深いものになった。絶好のクロスでお膳立てしてくれたのは、オランダのスパルタで共にプレーしていた斉藤。「2人の関係で点を取れたのは本当にうれしい」。体格が小さいことで悩んだ時期があっただけに、屈強な南米選手を相手に互角以上に渡り合い、大いに自信を深めた。
パスサッカーが主体の新潟で技を磨き、J1で活躍を見せた昨季終了後、海外挑戦を決意。スパルタは一転してロングボールを多用するスタイル。違いに順応しようと必死にプレーする中で多くの学びを得た。
次戦以降へ期待が高まる中、モチベーションを上げてくれそうな材料も。中学入学と同時に親元を離れてからも、活躍を見守っていてくれた両親がそろって海外まで応援に来てくれる。「特別な大会。変に緊張し過ぎず、活躍している姿を見せたい」。164センチの小兵が、チームと共に勢いに乗る。 (時事)
[時事通信社]
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