2024-07-24 16:56社会

特捜検事、黙秘に「反社や」=取り調べ違法と提訴―東京地裁

特捜部検事の取り調べが違法とする訴訟について記者会見する河津博史弁護士=24日午後、東京都千代田区
特捜部検事の取り調べが違法とする訴訟について記者会見する河津博史弁護士=24日午後、東京都千代田区

 取り調べで黙秘したところ、東京地検特捜部の検事から「検察庁を敵視するってことは反社(反社会的勢力)や」と言われるなど違法な取り調べを受けたとして、太陽光発電関連会社の社長(50)が24日、国に1100万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
 原告は「テクノシステム」(東京)社長の生田尚之被告。2021年、金融機関から融資金をだまし取ったなどとして詐欺と会社法違反(特別背任)容疑で逮捕、起訴された。公判は始まっておらず、現在も東京拘置所に勾留されている。
 訴状によると、生田被告は同年5月の逮捕直後から41日間連続で計205時間の取り調べを受けた。黙秘したが、男性検事は「ええかげんにせえよ、たちの悪いやくざの組長ぐらいやで、そんなことするのは」などと発言した。
 弁護人が地検などに苦情を申し入れたが、その後も検事は「幼稚園児じゃないんやから」と言ったり、「ちゃんと自白をせいよ」と怒鳴ったりした。
 生田被告側は、黙秘権や人格権が侵害されたと主張。取り調べを録音録画した記録データを証拠として調べるよう裁判所に求める方針だ。
 記者会見した代理人の河津博史弁護士は「不適切では済まされない言動だ。精神的苦痛を長時間与え続け、もはや拷問に当たる」と訴えた。
 新河隆志・東京地検次席検事の話 訴状の内容を承知しておらず、コメントは差し控えたい。 
[時事通信社]

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