開会式、危険なバルコニー=観覧中の崩壊や落下の恐れも―パリ五輪
【パリ時事】パリ五輪の開会式が目前に迫り、舞台となるセーヌ川沿いは準備が整いつつある。夏季大会で初めて競技場外で開催される開会式を巡っては、テロの恐れなど安全面への不安が何度も指摘されてきた。しかし、危険は意外な場所にも潜んでいる。
セーヌ川沿いは街の中心部とはいえ住宅が多く、人々の生活圏でもある。チケットがなくても住民は自宅から開会式を観覧することが可能だ。ただし、フランスの建物のバルコニーは日本と造りが違う。幅が狭く、多数で利用することはあまり想定されていない。しかも建物のほとんどが古いという事情もある。多くの人が一気にバルコニーに出てしまうと支え切れず、崩壊する恐れや転落の可能性もある。
この不安については複数の地元メディアも取り上げている。仏紙パリジャン(電子版)はパリ警視庁のヌニェス警視総監の見解を紹介。「バルコニーの問題に関しては当局に権限はない。各人が適した利用をする責任がある」としている。
5月にはパリ五輪の聖火が仏南部のマルセイユに到着した。港前にはその様子を見ようと約15万人が集まった。そんな中で、近隣の建物では多くの人がバルコニーに出てセレモニーを見ていた。パリ五輪でも同様の光景が広がる可能性は十分。バルコニーは、開会式の懸念材料の一つになりそうだ。
[時事通信社]
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