アディダス、広告から親パレスチナ派モデル外す イスラエルが批判
【ベルリンAFP=時事】独スポーツ用品大手アディダスは19日、親パレスチナ派の米国人のスーパーモデル、ベラ・ハディッドさんを1972年のミュンヘン五輪にちなんだレトロなスニーカーの広告から外したことを明らかにした。≪写真はスーパーモデルのベラ・ハディッドさん≫
ミュンヘン五輪では、パレスチナの過激派組織「黒い九月」が選手村のイスラエル選手団宿舎を襲撃し、選手ら11人を殺害。警察官1人も死亡した。
アディダスは、クラシックモデルの復刻シリーズの一つとして、1972年のミュンヘン五輪で初めて使用されたシューズ「SL72」を販売を開始したばかり。ハディッドさんを起用していた広告では、このスニーカーが1972年に発売されたと紹介されているが、イスラエル選手団襲撃事件については全く触れられていない。
ハディッドさんは米国生まれだが、父親はパレスチナ人。昨年10月7日のイスラム組織ハマスによる越境攻撃を受けてイスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を開始して以降、パレスチナの権利を支持すると声高に訴えてきた。
アディダスは、ハディッドさんを起用していた広告を直ちに見直すと発表。「過去の悲劇的な出来事との関連性は認識しているが、全く意図していないものだ。不快な思いをさせ、苦痛を与えた方々に謝罪する」と表明した。
同社の広報は、ハディッドさんが広告から外されたことを認めた。
在独イスラエル大使館は18日、X(旧ツイッター)に、「広告の顔は誰だと思う? ベラ・ハディッドだ。彼女はパレスチナにルーツを持つモデルで、これまで反ユダヤ主義を広め、イスラエル人やユダヤ人に対する暴力を扇動してきた」と投稿した。
イスラエルのロン・プロソル駐独大使も19日、ドイツメディアに対し、「アディダスは、よくもいまさら『全く意図していない』と主張できるものだ」と非難。「1972年の(ミュンヘン五輪での)テロは、ドイツ人とイスラエル人の集団的記憶に刻まれている」と主張した。
一方でSNSには、ハディッドさんへの支持を表明する声や、アディダスがハディッドさんを広告から外したことへの批判、アディダス製品の不買運動を呼び掛ける投稿も殺到している。【翻訳編集AFPBBNews】
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