インフレ、ドル高など議論=G20財務相、格差問題も―25日からリオで
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が25、26両日、ブラジル・リオデジャネイロで開かれる。ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の不安定化が続く中、長引くインフレやドル高の世界経済への影響などを議論する。議長国ブラジルが重視する格差是正に向けた課税の在り方も議題。昨年10月のモロッコ・マラケシュの会議以来、3会議ぶりの共同声明採択を目指す。
日本からは鈴木俊一財務相らが出席する。鈴木氏は19日の閣議後記者会見で「為替に関する論点を含め日本の立場をしっかり伝えていきたい」と語った。
G20では長期化するウクライナ戦争や、中東情勢を巡る参加国の見解に隔たりがあり、全会一致が原則の共同声明は採択が見送られる会合が増えた。こうした中、議長国ブラジルは各国との事前交渉で、地政学的な問題は11月に行われる首脳会議(サミット)で取り扱う考えを示している。
財務相会議では世界経済の現状やリスクを確認した上で、国際開発金融機関改革、債務問題のほか、ブラジルが注力する気候変動問題や貧困対策、富裕層への課税強化などの議論に集中し、共同声明などとして成果を取りまとめたい考えだ。
新興国や低所得国の債務膨張などを引き起こすドル高やその原因の一つである米金利の高止まりについても話題になりそうだ。歴史的な円安を受けて日本は4月以降、為替介入を行っており、過度な為替変動が経済に悪影響を及ぼすとする従来の合意を再確認したいとみられる。
G20に併せて、先進7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議も開く。6月にイタリアで開かれたG7サミットで合意したロシアの凍結資産を活用した500億ドル(約7兆8000億円)のウクライナ支援について、年内実施に向けて議論を深める。米国と欧州連合(EU)が4割程度ずつ、残りを日本、英国、カナダで拠出する案があるほか、G7以外の国が枠組みに参加する可能性もあり、調整を進める。
[時事通信社]
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