日産自動車、逆転敗訴=50億円追徴課税は適法―最高裁
タックスヘイブン(租税回避地)にある保険業の関連会社の所得を巡り、東京国税局による約50億円の追徴課税を不服として、日産自動車が処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決が18日、最高裁第1小法廷であった。岡正晶裁判長は処分を適法と判断。取り消しを命じた二審判決を破棄し、日産の逆転敗訴を言い渡した。裁判官5人全員一致の意見。
東京国税局は、日産の2017年3月期の税務申告に対し、課税逃れを防ぐ「タックスヘイブン対策税制」を適用。関連会社と日産本体の所得を合算すべきだと指摘し、追徴課税した。
訴訟では、関連会社が保険業で、保険料収入の50%超をグループ企業以外から得た場合には対象外となる同税制の適用可否が争点だった。
同小法廷は、英領バミューダ諸島にある関連会社「NGRE」について、グループ外からの保険料収入が50%超だった一方、一部を別の日産関連会社が事実上負担していた点を考慮。実質的にグループ外収入は50%以下で、同税制の適用対象になると結論付けた。
一審東京地裁は22年1月、東京国税局の処分を適法とし、日産の請求を棄却。二審東京高裁は同9月、同税制の適用除外を認め、同社の逆転勝訴としていた。
日産は取材に対し「適切な税務処理に尽力する」と回答。東京国税局は「妥当な判決と受け止めている」とコメントした。
[時事通信社]
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