バンス氏「中国の脅威」訴え=中西部の労働者集結狙う―米共和副大統領候補・受諾演説
【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)時事】米大統領選で共和党の副大統領候補に正式指名されたバンス上院議員(39)は17日、3日目を迎えた党大会で、指名受諾演説を行った。中西部の激戦州で勝敗のかぎを握る白人労働者の取り込みを念頭に「中国の脅威」を強調。「米国の企業や産業のために立ち上がる指導者が必要だ」と訴えた。
バンス氏は中西部オハイオ州のラストベルト(さび付いた工業地帯)で育った。貧しかった幼少期を振り返り、バイデン大統領(81)のような政治家によって「米国の製造業、重工業が衰退した」と主張し、「わが国は廉価な中国製品であふれかえっている。この先数十年で致命的打撃を受ける」と警告した。
米国人労働者の賃金を守り、中国共産党が米国の背後で自らの富を築くのを阻止するとも表明。一方で、「同盟国が世界平和を確保するための負担を分かち合うことを確認する。米国の納税者の寛大さを裏切るような国にただ乗りはさせない」と誓った。
バンス氏の母親は麻薬中毒で、父親は不在だったが困難を乗り越えてエール大法科大学院に進学した。繁栄から取り残された白人の悲哀を描いた回顧録を執筆して一躍有名となった。
演説では、「ドナルド・トランプという男が現れ、(中西部の)労働者階級の少年が次期副大統領として大会のステージに立つことができる」と指摘。米国を率いるのにふさわしいのは、11月の大統領選で共に戦うトランプ前大統領(78)だとたたえた。
バンス氏は2022年に初当選し、政治の表舞台に登場したのは比較的新しい。今回の演説は、内外への「自己紹介」として注視されていた。
[時事通信社]
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