2024-07-18 16:02社会

検事発言、国に賠償命令=取り調べで「ガキ」―東京地裁

判決後に会見する江口大和さん(中央)と代理人弁護士=18日午後、東京都千代田区
判決後に会見する江口大和さん(中央)と代理人弁護士=18日午後、東京都千代田区

 取り調べで黙秘したところ、検事から「ガキ」「お子ちゃま」と発言されるなどして精神的苦痛を受けたとして、元弁護士の男性が国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。貝阿弥亮裁判長は「原告の人格を不当に非難する発言だ」と述べ、国に110万円の賠償を命じた。
 判決によると、元弁護士の江口大和さん(38)は2018年、犯人隠避教唆容疑で横浜地検に逮捕、起訴され、執行猶予付きの有罪が確定した。逮捕後の取り調べで「事実無根だ」と告げ黙秘したところ、男性検事から「ガキだよね、あなた」「短絡的、お子ちゃま的なんですよ」などと言われた。
 貝阿弥裁判長は、検事の発言は事件と直接関係がなく、人格権の侵害に当たると判断。一方的に非難を繰り返し、黙秘をやめさせる試みだったとして、黙秘権を保障した憲法などの趣旨にも反すると指摘した。
 取り調べを計約56時間行ったのが黙秘権の侵害に当たるとの江口さん側の訴えは退けた。
 判決後に記者会見した江口さんは、「黙秘権行使をばかにするような発言が許されないとの判断は良かった」と評価。一方で、「取り調べを続けたことが違法ではないというのは納得がいかない」と話し、控訴する意向を示した。 
[時事通信社]

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