「気持ち晴れた」「苦労消えない」=岸田首相面会後に原告ら会見―強制不妊訴訟・東京
強制不妊訴訟の原告らは17日、岸田文雄首相との面会後、東京都千代田区の参院議員会館内で記者会見した。謝罪した首相の対応を「気持ちが晴れた」と評価する原告がいる一方で、「苦労は一生消えない」と全被害者の速やかな救済を求める声も上がった。
名古屋市の原告尾上敬子さん(74)は「お会いすることができた」と感激した様子。首相には「差別のない社会をつくっていただきたい。手術を受け、今まで言い出せなかった人たちが、きちんと申し出ることができるようにしてほしい」と伝えたという。
札幌市に住む原告小島喜久夫さん(83)は19歳の時、手錠を掛けられ優生手術をされたと首相に伝えた。「(首相から)『苦労しましたね。おわび申し上げます』と言ってくれてうれしかった」と話す一方、「謝ってもらっても私の苦労は一生消える問題ではありません」と訴えた。
14歳の時に手術を強いられた原告北三郎さん(仮名、81)は「おわび申し上げますと言われたが、67年の苦しみは忘れることはできなかった」と話した。
新里宏二・全国被害弁護団共同代表は「私たちは国の謝罪と補償を両輪で求めてきた。最高裁では賠償が認められ、きょうは謝罪があり、一つの成果が出たと思うが長かった」と振り返った。首相が除斥期間の主張を取り下げると表明したことについては「手術が実際に行われたかを争っている訴訟もある」とし、和解を早急に進める必要性を強調した。
[時事通信社]
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