きれいな能登も知って」=被災前の写真、SNSに―東京の高3「今後も関わる
「被災前のきれいな能登も知ってほしい」。能登半島地震発生から半年が過ぎる中、東京都の高校3年生あおいさん(17)は、地域留学していた当時の能登の写真をSNSに投稿している。四季折々の豊かな自然や、夕日に染まる美しい海。「能登はふるさとのような場所。今後も関わっていきたい」と力を込める。
あおいさんの高校では1年生の時、新型コロナウイルス流行の影響で学校行事が縮小。勉強ばかりで代わり映えのしない毎日に「新しいことに挑戦したい」との思いを募らせた。そんな時、地方の学校で1年間勉強する内閣府の地域留学制度を知った。
自然が豊かで祭りが盛んな能登地方に引かれ、「新しい人々や価値観に触れられるかも」と石川県立能登高校(能登町)に行くことを決断。親元を離れ、昨年4月から通い始めた。友人に囲まれ、放課後には夕日が沈む海を一緒に見に行くなど、学校生活はあこがれていた通りに様変わりした。
そして起きた大地震。発生当時は都内の実家に帰省していた。友達の安否が心配だったが戻ることもできず、「遠くにいる自分は何もできない」と落ち込んだ。
SNSを見ると、自分もよく知る町が、がれきや壊れた建物であふれていた。美しい能登が被災地としてだけ知られてしまうことが怖くなった。
そんな中、趣味の写真を通じ「美しい景色も知ってほしい」と決意。1月中旬、「能登にいた高校生」とのアカウントでインスタグラムなどへの投稿を始めた。不謹慎に思われるか悩んだが、「これからも能登の魅力を伝えて」とのコメントも相次いだ。「多くの人にきれいな能登を知ってもらえた」と振り返る。
地域留学を終え東京の高校に戻ってからも、被災した企業を応援する取り組みに参加するなど活動の幅を広げるあおいさん。「能登はふるさとのような場所。これからもずっと関わりを持ち続けたい」と意気込んでいる。
[時事通信社]
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