ウクライナの法整備支援へ=復興後押し、企業進出も見据え―法務省
法務省はロシアの侵攻を受けるウクライナの将来の復旧・復興に向け、来春にも同国の法整備の支援に乗り出す方向で検討に入った。同国の欧州連合(EU)加盟交渉を後押しするとともに、日本企業が進出する環境を整える狙いもある。ニーズを調査した上で具体的な内容を詰める方針だ。
ウクライナの国内法整備はEU加盟に向けた課題の一つ。同国が復旧・復興の段階に進む際には巨大な経済需要が見込まれる一方、諸外国との法制度の違いが企業のリスクになると指摘される。
法務省は今年1月、ウクライナから民事訴訟法や刑事訴訟法の改正など幅広い分野の法整備に関する協力の打診を受けた。海外からの企業・投資の受け入れに関する法整備にも関心があるとみており、同国の司法関係者を日本に招いて研修を実施することを検討。現地情勢を踏まえ、日本の検察官らを派遣して助言することも視野に入れる。
法務省は国際協力機構(JICA)と協力し、政府開発援助(ODA)の一環として1990年代から「法制度整備支援」を実施。(1)基本法令の起草(2)司法機関の運用支援(3)検察官や裁判官の人材育成―を3本柱に、ベトナム、カンボジア、ラオスなど10カ国以上で支援を進めてきた。
ウクライナはこうした日本の実績に着目し、協力を呼び掛けたとみられる。法務省幹部は「自国の法制度を押し付けず、相手国の実情に合わせた仕組みを考えるのが日本の支援の特徴だ」と強調し、ウクライナ支援に意欲を示した。
[時事通信社]
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