武器は「上で勝負しないプレー」=北京五輪代表の福沢さん―五輪バレー・復活のニッポン男子(下)
バレーボールの日本男子はなぜここまで強くなったのか―。2008年北京五輪に出場し、現役を引退した21年まで日本代表で活躍してきた福沢達哉さん(38)に、躍進の背景やパリ五輪本番のカギなどを聞いた。
―日本男子が強くなった要因は。
個人として世界で戦える選手が数多く出てきた。代表的なのが石川祐希(ペルージャ)、西田有志(大阪ブルテオン)、高橋藍(サントリー)。それと合わせて17年にブラン監督がコーチとして来て、世界のスタンダードの技術、考え方を持ち込んでくれた。
―ブラン氏の指導は。
これだけはっきり物を言うコーチは珍しい。世界との差を埋めるために、シンプルかつ極端に「これをやりなさい」と強く言われた。ミドルのクイック、それに絡めたバックアタックを積極的に使いたいというコンセプトがあった。そこに関田誠大(ジェイテクト)ら、ブラン氏が求めるバレーボールにマッチするタレントが出てきた。
―8強入りした東京五輪からの成長は。
若いチームだったので、大きな伸びしろを持っていた。もう一つは(勝負どころの)取るべき1点に対するマインドが上がった。石川に続くように各選手が海外に行き、世界のトップレベルで戦えるというメンタリティーを築けた。
―日本の武器は。
つなぎの部分の細かいスキルは世界一。フィジカルで勝てない日本は常に100%に近い状態で攻撃することが求められる中、それを徹底的にやっている。また、西田、石川らのサーブ力がぐっと上がった。つなぎもサーブも、上で勝負しないプレー。これが世界と戦えている大きなポイント。
―五輪でどう戦う。
日本はマークされ、研究し尽くされる。東京五輪で優勝したフランスは大会を通して全選手が活躍していたが、そうでないと勝てない。誰が出ても同じような意識レベルで、タフな試合を乗り切っていったチームが金メダルにたどり着く。当たり前のことを当たり前にできるのが強いチーム。
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◇福沢達哉さんの略歴
福沢 達哉さん(ふくざわ・たつや)京都・洛南高から中大に進み、在学中に08年北京五輪出場。パナソニック(現大阪ブルテオン)入団後も日本代表のアウトサイドヒッターとして長年活躍し、ブラジルやフランスのリーグでもプレー。21年に現役を引退。現在はパナソニックグループの広報を務め、解説者としても活動している。京都府出身。38歳。
[時事通信社]
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