集団交渉、53億円賠償請求=旧統一教会巡る被害訴え―相談は700件超・弁護団
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による献金、物品購入の勧誘などの被害を受けたとして集団交渉で賠償請求している人は、被害対策弁護団のまとめで全国179人、請求額は計約53億円(いずれも6月下旬時点)に上る。相談も700件を超え、今後さらに被害の訴えが広がると見込まれている。
弁護団によると、179人のうち元信者は138人と77%を占め、男女比では女性が7割超に上った。年齢層は60代が45人と最も多く、次いで70代が37人。被害額は50万~499万円が最多の40人で、1000万~1999万円の36人が2番目に多い。
大半は旧統一教会であることを隠して入信の勧誘が行われていた。子どもを亡くして悩んでいる人に「先祖家系に問題がある」と迫るなど、親族の死や親子関係の悩みに付け込み、恐怖や不安をあおる形で献金や物品購入につなげていたケースもあるという。
寄せられた相談の中には、教団に賠償を求めないなどとする念書や合意書が作成されたケースが少なくとも12件確認されており、今回の訴訟と同様に有効性が問われる可能性もある。
弁護団は、179人のうち138人の請求額計約44億円について、東京地裁に調停手続きの申し立てを行った。ただ、弁護団の阿部克臣弁護士は「旧統一教会側が献金記録の開示などに応じず、早期解決の見込みも立たない」と批判している。
一方、教団は取材に「十分精査されず請求されているものもある。集団でなく個別に申し込んでもらえれば、誠意をもって対応する」と回答した。
[時事通信社]
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