不正送金指示役の男逮捕=サイバー特捜部、国内初摘発―1億円超被害か・警察庁など
他人のインターネットバンキング口座に不正アクセスしたとして、警察庁サイバー特別捜査部と警視庁、北海道、宮城、兵庫など16都道府県警の合同捜査本部は9日、不正アクセス禁止法違反容疑で、無職の矢野洋平容疑者(44)=別事件で収監中=を逮捕した。不正送金グループの指示役とみられる。認否は明らかにしていない。
サイバー特捜部によると、前身組織が発足した2022年4月以降、同部が国内で容疑者を逮捕するのは初めて。
グループは22~23年、全国で1億2000万円以上の送金被害に関わった可能性があるという。合同捜査本部は、今年6月にサイバー特捜部が捜査に加わるまでに、実行役ら9人を逮捕していた。
グループは、不正に入手したIDとパスワードを使って他人の口座残高を確認。その後、スマートフォンのSIMカードを乗っ取る「SIMスワップ」という手口を使うなどして、口座の資金をグループのメンバーが管理する暗号資産口座に送金させていた。
グループはSNSで知り合った人に「副業を紹介する」と言って実行役を募集していた。秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」などを使って指示を出していた。
実行役らから押収したスマホを解析したり、暗号資産の流れを追跡したりした結果、指示役として同容疑者が浮上した。
逮捕容疑は昨年1月、不正に入手したIDとパスワードを使い、他人のインターネットバンキング口座にアクセスした疑い。
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