民主下院で撤退論拡大=バイデン氏、団結呼び掛け―米
【ワシントン時事】バイデン米大統領(81)に対する高齢不安が強まる中、民主党下院の有力議員団が7日、緊急の電話協議を開いた。米メディアによると、選挙戦継続に懸念を抱く議員が多数を占め、一部からはバイデン氏に撤退を求める声が上がった。バイデン氏は8日、党議員に宛てた書簡で「結束が弱まればトランプ(前大統領)を助けるだけだ」と団結を呼び掛け、選挙戦継続を改めて誓った。
電話協議は下院トップのジェフリーズ院内総務ら執行部が主催し、各委員会の上級メンバーら24人が参加。このうち少なくとも4人が「バイデン氏は退く時だ」などと語ったという。執行部側は意見を述べなかった。
一方、バイデン氏は書簡の中で、先月までに各州で終了した民主党の大統領候補選びに触れ、挑戦者はわずか3人で、自身が圧倒的票差で指名を確実にしたと指摘。「こうした手続きは関係ないと言うのか。党内の民主主義を無視して、どうやって国家のそれを守れるのか」と「バイデン降ろし」の動きを強くけん制した。
民主党の下院議員213人のうち、7日までにバイデン氏の出馬辞退を求めたのは約10人。だが、独立記念日の休会明けで8日に議員たちがワシントンに戻るため、数はさらに膨らむ見込みだ。
下院は大統領選と同時に選挙が行われるため、民主党議員らは自らへの影響回避に躍起となっている。党執行部や重鎮議員は現時点でバイデン氏の継戦を支持しているが、週明け以降、ぎりぎりの判断を迫られる可能性がある。
バイデン氏は7日、自身の出身地で、11月の大統領選の激戦7州の一つでもある東部ペンシルベニア州を訪問。黒人教会や選挙集会で「われわれは結束しなければならない」と再選への支持を訴えた。
心身の急激な衰えを懸念する声を意識し、この日は用意された演説原稿を読むよりも、支援者との交流に時間を割いた。「草の根」の支援健在をアピールし、エリート層を中心に広がる撤退圧力を押し返す狙いがありそうだ。
[時事通信社]
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