復興へ願い込め「あばれ祭」開幕=江戸から続く伝統行事―石川・能登町
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県能登町で5日、江戸時代から約350年続く伝統行事「あばれ祭」が始まった。震災の傷痕が深く残る中、老若男女が「サカヤッサイ」の掛け声とともにキリコと呼ばれる巨大な灯籠を担いで街を練り歩いた。
キリコを担いだトラック運転手の男性(48)は「震災があっても俺たちは元気だと示したい」と強調。会社員の山田誠さん(48)は「祭りがあれば、離れていた人も帰ってきて、町の活気にもつながる」と語った。
友人と参加した女子中学生(14)は「みんなも楽しそうでうれしい。いつもの祭りの感じがする」と笑顔を見せた。
祭礼委員長の新谷俊英さん(70)によると、今年は宿泊施設や駐車スペースを確保できず、観光客には訪問自粛を呼び掛けた。「震災に心悩む人がたくさんいる中、葛藤もあったが、地域にはなくてはならない」と開催を決めた理由を語った。
[時事通信社]
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