中国、日本の大陸棚にブイ=太平洋側は異例、政府「遺憾」
政府は5日、中国の海洋調査船「向陽紅22」が、太平洋の沖ノ鳥島(東京都)北方に位置する日本の大陸棚の海域にブイ(浮標)を設置したと明らかにした。目的や計画などの詳細を示さないまま設置したとして、林芳正官房長官は記者会見で「遺憾だ」と表明。「中国の海洋活動全般にさまざまな懸念や疑念がある」と指摘した。
中国のブイはこれまで沖縄県・尖閣諸島周辺で確認されていたが、太平洋側では異例。政府が説明を求めたのに対し、中国側は「ブイは津波観測用で、日本が大陸棚に対して有する主権的権利を侵害するものではない」と応じたという。
中国がブイを設置したのは「四国海盆海域」で、海底にはレアメタルなどの鉱物資源があるとされる。国連海洋法条約上、この海域は日本に海底資源を開発する権利があるが、上部水域の調査はどの国も可能で、米国のブイもある。外務省幹部は「透明性のある米国と中国とでは信頼関係が違う」と述べた。
林氏によると、中国の調査船が東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)を航行していた段階から日本はその動向を注視。中国側に対し、日本の海洋権益を侵害しないことや、航行の自由に配慮するよう申し入れていた。
日本は昨年7月、尖閣諸島周辺の日本のEEZ内に中国のブイ設置を確認。日本は首脳会談などで即時撤去を要求しているが、中国は応じていない。
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