難民不認定取り消し=同性愛「逮捕の恐れ」―アフリカ北部の男性・大阪地裁
同性愛者であることを理由に母国で迫害される恐れがあるとして、アフリカ北部出身で近畿地方に住む30代男性が、難民不認定処分の取り消しを求めた訴訟の判決が4日、大阪地裁であった。徳地淳裁判長(三木裕之裁判長代読)は「帰国すれば逮捕や訴追の恐れがある」とし、処分を取り消した。
原告弁護団によると、性的少数者(LGBTなど)が迫害の恐れがあることを理由に裁判で難民認定されたのは全国で2例目という。
男性は2019年12月に来日し、翌月に難民認定を申請したが、大阪出入国在留管理局は21年2月、不認定処分とした。男性は、母国の刑法では同性間の性行為が懲役刑となることや、同性愛者であることを理由に家族から殺される危険があるとして22年7月、大阪地裁に提訴していた。
判決で徳地裁判長は「男性の国では、LGBTの人々は警察官を含む第三者からの暴力の危険にさらされている」と指摘。男性は家族からも殺害されそうになった経験があり、帰国すれば危害を加えられる可能性があることから、難民に該当すると判断した。
判決後の記者会見で男性は「数年間つらい生活だったが、きょうはすごく幸せ」と話した。出入国在留管理庁は「判決の内容を精査して適切に対応したい」としている。
[時事通信社]
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