改革派が首位、保守強硬派と決選=来月5日、19年ぶり―イラン大統領選
【テヘラン時事】28日投票のイラン大統領選で、同国内務省は29日、開票結果を発表した。改革派のペゼシュキアン元保健相(69)と保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)が得票数で1、2位となったが、いずれも当選に必要な過半数を得票できず、決着は7月5日の決選投票に持ち越された。イラン大統領選の決選投票は19年ぶりとなる。
大統領選では当初、保守強硬派が優位とみられていた。ただ、「投票すること自体が体制指導部の信任につながる」として最近の選挙を棄権してきた一部有権者が、ペゼシュキアン氏支持で結集。健闘を後押しする形となった。
内務省によると、首位のペゼシュキアン氏の得票率は約42.5%。ジャリリ氏は約38.6%だった。投票率は40%で、大統領選としては過去最低を更新した。
ペゼシュキアン氏は対外協調を志向し、国際社会との対話を通じ経済制裁の解除を目指す方針を強調。イランで女性の頭部を覆うスカーフ着用義務化についても「強制は反発を招くだけだ」と否定的な立場だ。改革派ハタミ元大統領や保守穏健派ロウハニ前大統領らの支持を得て、強硬派に対する不満の受け皿として一定の期待を集めた。
一方のジャリリ氏は、保守強硬派アハマディネジャド政権(2005年~13年)下で核交渉の責任者を務め、非妥協的な強硬姿勢で知られる。強硬派ライシ政権の路線を継承し、中国やロシア、新興国との関係強化を主張。勝利すれば、核問題などで米欧諸国との対立は一段と深まる可能性がある。
[時事通信社]
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