犯罪少年に軍隊式鍛錬=厳罰化の公約実行―NZ
【シドニー時事】ニュージーランド(NZ)の保守連立ラクソン政権が治安改善に向け、犯罪厳罰化の取り組みを進めている。その一環として7月から、凶悪犯罪で有罪となった少年に対し軍隊式鍛錬を課す「ブートキャンプ」を導入する。昨年の総選挙での公約を実行するもので、ラクソン首相は「法と秩序を回復し、街をより安全にする」と強調している。
ブートキャンプの対象となるのは、禁錮10年以上に相当する重い罪を二つ犯し、かつ、通常の矯正で効果がなく再犯の可能性が高いと判断された14~17歳の少年。軍隊式の厳しい鍛錬は最初の3カ月間に集中して行い、続く9カ月には就職や就学に向けた社会復帰教育に重点を置く。まず少年矯正施設1カ所で試験的に実施し、結果を踏まえて拡大させる方針だ。
NZで2023年に起訴された10~17歳の少年は1671人で前年より約2割増え、再犯も多い。政権はブートキャンプ導入で再犯を15%減らすことを目指す。チャーこども担当相は「少年の長い人生に有益となり、犯罪被害者の削減につながる」と主張する。一方、野党からは「過酷なだけで、効果は疑問」との声が出ている。
このほか、政権は成人も含めた厳罰化策として、裁判官が減刑できる割合の上限を4割と定める。また、凶悪犯罪で有罪が3回目になると、最高刑が自動的に適用され、仮釈放を認めないとする「三振法」を年内に復活させる。同法は労働党政権下の22年に廃止されていた。
[時事通信社]
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