「国際協調」対「米国第一」鮮明=強い指導者像、演出に腐心―米大統領選討論会
【ワシントン時事】バイデン大統領とトランプ前大統領は27日に行われた米大統領選のテレビ討論会で、同盟・友好国との関係を巡る立場の違いを明確にした。国際協調重視のバイデン氏に対し、トランプ氏は「米国第一」の姿勢を押し出し、互いに強い指導者像を演出することに腐心した。
「なぜ私がやったように金を出させないんだ」。トランプ氏は、軍事費を増やさなければロシアの攻撃から守らないと北大西洋条約機構(NATO)加盟国を脅し、国防支出を増加させたと在任中の自らの手腕を誇示し、同盟・友好国への過剰な要求を控えるバイデン氏を挑発した。
トランプ氏は大統領時代、同盟・友好国だけでなく、敵対・競合勢力との「ディール(取引)」にもこだわった。討論会でも、ロシアのプーチン大統領が提示したウクライナ侵攻の和平案は「受け入れられない」と拒否しつつ、大統領選で勝利すれば、来年1月20日の就任を待たずに「戦争に決着をつける」と豪語した。
バイデン氏はこうした主張に対し、「この男はNATOを脱退したがっている。われわれの強みは同盟関係にある」と反論。ロシアの侵攻が続くウクライナへの支援で「日本や韓国を含め、50に上る国々をまとめた」と述べ、国際協調を通じ対抗する姿を印象付けた。
トランプ氏はバイデン政権下でのアフガニスタン駐留米軍の撤収やイスラム組織ハマスによるイスラエル急襲などをあげつらい、「国家として破綻している」と指導者としての「弱さ」を攻撃。バイデン氏は「米国は世界最強の国だ。全ての同盟国から信頼されている」と訴えた。
[時事通信社]
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