イラン大統領選、三つどもえ=強硬派優位、改革派も善戦―28日投票
【テヘラン時事】イラン大統領選は26日、選挙戦最終日を迎え、候補者が各地で懸命に支持を訴えた。複数の情勢調査によれば、優位に立つとされる保守強硬派の2人に対し改革派が善戦し、三つどもえの様相。28日の投票で過半数を得る候補がいなければ、上位2人による7月5日の決選投票に決着が持ち越される。
最高指導者の影響力が強い「護憲評議会」の事前資格審査で出馬が認められた6人のうち、ガリバフ国会議長(62)とジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)の保守強硬派2人が優勢とされる。ただ、強硬派内にも温度差があり、どちらも広範な支持を固め切れずにいるとみられる。6人のうち、ガジザデハシェミ副大統領(53)とザカニ・テヘラン市長(58)が27日までに撤退を表明した。
欧米諸国が科す制裁への対応について、ガリバフ氏は「解除に向けた交渉には反対しないが、交渉相手は不誠実な敵だ」と主張。ジャリリ氏も「解除だけでなく、制裁を加えた者に行動を後悔させる」などと訴える。両氏のいずれかが当選すれば、ライシ政権の対外強硬路線を踏襲し、欧米との対決姿勢は一段と強まる公算が大きい。
一方、改革派から唯一立候補を認められたペゼシュキアン元保健相(69)も、健闘が伝えられている。選挙戦では「外交の基礎は国益と国家の安全だ。世界での孤立は避けたい」と融和的な立場をにじませた。強硬派に対する不満の受け皿として、一定の支持を集めているもようだ。
ペゼシュキアン氏には、改革派のハタミ元大統領や保守穏健派のロウハニ前政権で外相を務めたザリフ氏に加え、26日にはロウハニ師も「制裁の影を取り除く決意がある」と支持を表明。強硬派候補を抑えて上位に食い込むには、穏健派と改革派の支持を結集できるかがカギを握る。
[時事通信社]
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