勝負に徹し、引き寄せた五輪=青木「鬼のいぬ間に」―陸上日本選手権・男子3000メートル障害
昨夏の世界選手権男子3000メートル障害6位で、パリ五輪代表入りを既に決めた三浦龍司(SUBARU)は不在。ならば、同じ世界選手権で14位の青木が負けるわけにはいかなかった。2度目の五輪への切符を大きく引き寄せ、「鬼のいぬ間にというか、初優勝を取らせてもらった感覚」と率直に言った。
春に発症した左アキレスけん痛が長引き、万全の状態ではなかった。自己ベストを上回る参加標準記録(8分15秒00)を狙いたいのが本心だったが、「あくまで本番は夏(五輪)」と自制。勝負に徹し、残り1周で先頭に出た。最後の直線で後続を振り切り、8分24秒21で勝ち切った。
2022年世界選手権は予選敗退。3000メートル障害から離れることも頭をよぎった。それでも、世界の猛者が集まる米国のチームに入って武者修行を続けるうちに、「勝てるなと思える選手も出てきた」と手応えを感じている。
メダルを目指す三浦との実力差は冷静に捉えている。「自分は一気に伸びていく選手じゃない。まずは10番を目標にして、来年の東京(世界選手権)が一番の勝負」。地に足を着け、トップへの階段を一歩ずつ上るつもりだ。
[時事通信社]
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