2024-06-27 16:47経済

ATMでの携帯禁止、条例改正へ=特殊詐欺対策で全国初―大阪府検討

特殊詐欺対策強化の条例改正について記者団に説明する大阪府の吉村洋文知事=27日午後、大阪市中央区
特殊詐欺対策強化の条例改正について記者団に説明する大阪府の吉村洋文知事=27日午後、大阪市中央区

 大阪府の吉村洋文知事は27日、特殊詐欺から高齢者を守るため、ATMでの携帯電話の使用禁止や高額プリペイドカード販売時の目的確認を盛り込んだ条例改正を検討すると表明した。大阪市内で記者団に語った。専門家らから意見を聞き、来年2月の府議会に提案。事業者の義務を明記する予定で、全国初の取り組みという。
 昨年の同府内の特殊詐欺被害は2656件で被害額は約36億6100万円。還付金詐欺や架空料金請求が多く、被害者は高齢者が大半だ。
 犯人が携帯電話にかけて指示し、振り込ませる手口が多いため、安全なまちづくり条例を改正し、電話で話しながらATMを操作する高齢者への対応を金融機関に義務付ける。無人ATM全てに警備員を置くのは困難なため、人工知能(AI)搭載カメラといった情報通信技術(ICT)による確認などを想定する。
 プリペイドカードを使った詐欺では、販売時に目的を確認するようコンビニなどに求める。理念条例から一歩踏み込んだ内容とするが、罰則は見送る方針だ。
 吉村氏は「特殊詐欺の多くは未然に防げる」と強調。「老後の資金を根こそぎ持って行くのは卑劣な犯罪で許せない。より踏み込んだ条例が必要だ」と語った。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集