米長官「中東の地域紛争」警告=イスラエルに事態悪化の回避要請
【カイロ時事】訪米したイスラエルのガラント国防相は25日、国防総省でオースティン国防長官と会談した。AFP通信によると、イスラエルと隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦激化を受け、オースティン氏は「新たな戦争は、中東に恐ろしい結果をもたらす地域紛争に直結しかねない」と警告。事態悪化回避に向けた取り組みを要請した。
オースティン氏は「事態がさらにエスカレートするのを防ぐには、話し合いが最善の策だ」と指摘。これに対し、ガラント氏は「起こり得るすべてのシナリオへの準備について、われわれは話し合う必要がある」と述べ、ヒズボラとの本格的な戦闘も辞さない考えを示唆した。
国防総省のライダー報道官によれば、両者はヒズボラを支援するイランに対し、共同で対処する必要性で一致した。
一方、AFPによれば、イスラエルのネタニヤフ首相の側近、ハネグビ国家安全保障顧問は25日、パレスチナ自治区ガザで衝突が続くイスラム組織ハマスについて「思想まで消し去ることはできない。軍事的能力に打撃を与えるだけでなく、代替の思想が必要だ」と指摘。ガザの統治主体として「イスラエルと共存可能な地元の指導部が求められる」と述べた。
イスラエルはガザへの攻撃を継続している。ロイター通信によると、イスラエル軍は25日未明、北部の難民キャンプに空爆を加え、ハマス最高指導者ハニヤ氏の親族10人が死亡。ガザ市の学校2カ所も爆撃され、医療関係者によれば、少なくとも14人が死亡した。
[時事通信社]
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