2024-06-26 06:19スポーツ

指導者に「楽しさ」伝授=今関さん、NPBで野球振興―プロ野球

日本野球機構(NPB)の今関勝さん=18日、東京都港区
日本野球機構(NPB)の今関勝さん=18日、東京都港区

 元プロ野球日本ハム投手の今関勝さん(53)が、日本野球機構(NPB)の職員として野球振興に取り組んでいる。米独立リーグでのプレー、楽天ジュニアスクールの指導者、青森・弘前市役所職員などを経て2019年からNPBに在籍。現在は振興室主任として小学校の必修科目「ベースボール型」を指導する教員へのノウハウ伝授を担当し、「楽しさを伝えたい」と意気込む。
 野球人口が減少傾向にある中、今関さんは指導者の影響力の大きさを指摘する。「教える側が楽しむことが大事」と説き、NPB製作の教本を基に全国のドーム球場で実技などを実施。野球の楽しさを理解してもらい、児童らの意欲につなげたいという。
 1993年に社会人野球のNTT東京(現NTT東日本)からドラフト3位で日本ハム入り。96年には先発の柱として前半戦で10勝を挙げ、オールスターゲームにも出場した。ひたむきさや誠実さ、意志の強さを高く評価した上田利治監督(当時)は、「うちのエースは今関」と公言。実働7年で26勝30敗の成績を残し、2000年限りで退団した。
 高校時代、いじめに遭って引きこもりとなったという。約1カ月半野球から離れたが、別の高校に入り直してプレーを再開。野球の力を再確認し、「プロ選手になる」という目標も芽生えた。
 今関さんは「楽しさは一つではない」と言う。遊びで感じた純粋な喜びから、目標を立ててチームの一員として勝利を味わった時の感動、プロでの達成感など、その多彩な経歴の持ち主ならではの視点で「段階は違うが全てが楽しさ」と強調。「自分の人生を形成してくれたのが野球。指導者をサポートできる今は、たくさんの人と喜びを分け合えるのがうれしい」。野球との関わりをサポートしてくれた周囲に感謝しながら、誇りとやりがいをかみしめている。 
[時事通信社]

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