北朝鮮が弾道ミサイル発射=「極超音速」実験失敗と推定―韓国軍
【ソウル時事】防衛省は、北朝鮮が26日早朝(日本時間同)に日本海へ向け、少なくとも1発の弾道ミサイルを発射したと発表した。韓国軍は、北朝鮮が弾道ミサイルを平壌から発射し失敗したと推定。「極超音速ミサイル」の実験だった可能性があると分析した。
防衛省によると、弾道ミサイルは最高高度100キロ程度で、200キロ以上飛行。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。北朝鮮による弾道ミサイル発射は5月30日以来。
韓国軍関係者は記者団に「北朝鮮が発射したミサイルは海上で空中爆発した」と説明。「固体燃料式の極超音速ミサイルの試験を行ったと推測している」と述べた。
極超音速ミサイルは、音速の5倍(マッハ5)以上で低い高度を変則的に飛行する兵器で、迎撃が難しいとされる。北朝鮮は1月と4月に「新型の極超音速ミサイルの発射実験を行った」と主張。4月のミサイルの名称を「火星16ナ」と発表していた。
韓国南部・釜山には今月22日、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」が日米韓3カ国の共同訓練に参加するため寄港。北朝鮮の国防次官は24日の談話で「米韓の挑発に対し、新たな抑止力誇示で対抗する可能性がある」と警告しており、ミサイル発射で米空母展開への反発を示したもようだ。
日本政府は「国連安全保障理事会決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題だ」と発射を批判。北朝鮮に対し厳重に抗議した。航空機・船舶などへの被害は報告されていない。
日米韓の北朝鮮担当高官は、発射を受けて電話協議を行った。3者は「地域や国際社会の平和と安定を脅かすものだ」と発射を非難し、緊密な連携を確認した。
[時事通信社]
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