東京五輪最速ヤコブスが復調=2年ぶり9秒台出しパリへ―陸上男子100
【ロンドン時事】2021年東京五輪の陸上男子100メートル金メダリスト、ラモントマルチェル・ヤコブス(イタリア)がパリ五輪に向けて復調してきた。地元開催となった今月の欧州選手権で10秒02をマークし、2連覇。その後に2年ぶりに9秒台を出し、不振脱却を印象付けた。
昨年からパリ五輪参加標準記録(10秒00)を破れず、苦しんでいた。今月18日にフィンランドでの競技会の予選で9秒99を記録し、ようやく突破。決勝では東京五輪後、自己最速の9秒92で駆け抜けた。「この日までは、10秒を切っていないことを少し心配していた。でも、今は2回も出した」と安堵(あんど)感をにじませた。
東京五輪前に急速に力を付け、本番を9秒80で制覇。400メートルリレーとの2冠を達成し、世界を驚かせた。五輪後は一部でドーピング疑惑を報じられ、取り巻く環境の変化に苦悩。故障も重なり、昨季は低迷した。
昨秋から母国を離れて米国へ渡り、サニブラウン・ハキーム(東レ)、東京五輪男子200メートル覇者のアンドレ・ドグラス(カナダ)らを指導するレイナ・レイダー氏に師事。思い切った決断が復活に結び付いた。
五輪の100メートルは、世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が08年北京から16年リオデジャネイロまで3連覇。29歳はパリの大舞台でボルトに続く連覇を見据える。
[時事通信社]
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